◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2476号   2016/6/24 金曜日

≪私は正しい――私には分からない≫

情報があふれていると言われている。
インターネットには、確かに無数にある。

だが、社会は載っていない。
今の社会がどのような状態であるかを説明しているデータはどこにもない。
もちろん、小さな小さな項目別には載っている。
人口、政治、紛争、外交問題、失業率、制度、金融、等々。
どれも事実ではあるが、社会を説明しているのではなく、単に極小部分の一部である。
社会を実感しようとすると、一つ一つを調べていくしかないが、
調べて終わるころには、一、二年が過ぎているかもしれない。
もっとかかるかもしれない。
社会を知る叩き台としては、それでも良いかもしれないが、
全部ひっくるめて、社会はどうなっているのかの解は見つからない。

結局、激変の時代だ、と一言で終わってしまう。
しかし、元々がどんな状態で、
何をもって何が変化して、激変となり、どこへ向かっているのか、まったく分からない。
予想したところで、その範囲は極小部分でしかない。

英のEU残留、離脱の国民投票が行われる。
経済では、金融では、経済アナリストが、諸々を語っている。
結局は、どうのように儲けられるかだけのように見えてくる。
投票結果が分かったとしても、社会は分からない。

世界中で、至る所で、研究機関で、企業で、NPOで、政府で何かが起こっている。
それらが集まって、社会が動いているが、やはり分からない。

市場についても載っていない。
市場の説明があっても、市場を語っているのではない。
今の、自社の市場は分からない。
仕事をしている者にとっては、市場についてを一番知りたいのではないか。
市場が何を求めているのか知りたいのではないか。
だが、市場自体が分からない。

仕事は顧客から始めよと言っても、顧客が明瞭な形を示してはいない。

調べても市場を語る材料はどこにもない。
今、もっとも知りたいのは市場である。
答えが見つかったとしても一瞬の内に消えている。

やはり分からない。
的のある場所すら分からないのかもしれない。

「ちょっと頑張ろう」を書き始めて、きょうで、2476号になる。
11年になるが、毎朝、必ず2時間ぐらいは調べたり、考えたりする。
今まで5千時間ほど、市場や社会、人材について考えてきたが、解は分からない。
いくつもの極小部分だけが、繋がっている。

たくさんを知ろうとする。
結構な読書量でもあるし、データもよく見る。
検証もする。
実際に分析もする。
文章分析のエンジンを持っているから、多量データを分析している。
見えるのは僅かだ。

ある人が言った。
「人材データをどれほど集めたところで、データで人が分かるはずがない。」
紙に出力されたデータを見て、その紙が人であるはずはないのだ。

「世界を伝える新聞」と広告に出ているが、新聞に地球が乗っかっているはずもない。
何年分もの新聞を集めたところで、何社分を集めたところで、一端しか分からない。
一端でも分かる方が良いが。

たくさんを知りたいと思う。
今を、今から多くを学ぼうとする。
生涯で、今ほど知識に貪欲になっているときはないかもしれない。
自分にとっての明日を創りたいと思うから、根拠を求めて学ぼうとし、見ようとする。
だが、分からない。
見いだすのは、模索している自分の姿があるだけだ。

分かる手がかりを少しでも欲しい。
どこかで「私は正しい」と言える時がくるのだろうかと思うが、限りなく難しいだろう。

日々、真理を求めている。
変わらざるモノを探し、見つけて記録する。
見えるところをできるだけ増やしていくしかないのかもしれない。



━━ ■ ━ レポート≪社会変化を観察する≫に2種類を追加しました。
「表現&思考構造変化を全国紙社説で追う2014年〜現在まで」
「社説キーワード変化を追う 2014年〜2016年5月まで」
http://www.seedwin.co.jp/report.html

━━ ■ ━ BLOG≪最大成果を宣言≫ちょっと頑張ろう
ブログの分析結果 http://www.seedwin.co.jp/ganba_rireki2016.html

copyriht© SeedWin all rights reserved.