◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2475号   2016/6/23 木曜日

≪私は正しい――「正しい」を忘れよう≫

━ 「正しい」と言う単語を忘れてしまおう。
少なくとも、マネージャー、リーダーと考える者は、「正しい」の単語を無にする。
理由は2つある。
第一が明日が分からない。
第二が、今までに解明されている事柄は、一部分である。
新たに発見される事柄が、今までの事実を覆すかもしれない。

「正しい」とされていた事柄は、分かっている範囲の中だけでしかない。
物理学者ですら、力学の概念を覆してしまうかもしれないと言う、恐れを抱いている。
物理学の教科書が変わってしまうかも分からない。

リーダーは、明日に向かって、今までの論理で考え、意思決定をする。
大半が不確かなのだから、
自らが知っている範囲は、ごく僅かなのだから、正しいとは言えなくなる。

分かっている範囲で、意思決定をする。
事実を確かめるのは、最適さを増そうとする試みであり、リスクに備えようとする姿勢である。

常に試しを行う。
予想と現実のギャップを知ろうとする。
最適であろうとし、試行錯誤を繰り返し、真理と事実を、集めようとする。
「正しい」は、棚上げにしておくしかないのだ。 ━


時は進む。
差し迫った決断をしなければならない。

分かっているすべてをできるだけ集めて、分かる限りの分類とセグメントを行う。
ターゲットを定め、方法をできるだけ整理し、決定する。
自らのポジションを定め、確認をし、有効に使おうとする。

ポジションは、組織内ではない。
社会でのポジションである。
組織内などは、いくらでも変えられる。
組織内で登りつめても、自組織を含めて、社会での位置が分からねば、確からしさは分からない。
セグメントにしても同じで、社会でみれば、不確かである。

そのように考えれば、確からしさはほとんどない。
大企業と言えども、ポジションを確認するには、社会の許しを得なければならない。
常に、社会からの評価を受けて、居る場所を許されている。

意思決定に対して、正しいとする根拠は乏しい。
適切だろうとの推測でしかない。
しかし、一度、意思決定をすれば、直ぐには覆せない。
動きだしたモノを変えるには、動く前よりもパワーが必要となり、リスクも高くなる。
少なくとも、動いていた分が負になる。

意思決定には、戦略が必要なのだ。
方法を持たない意思決定は、動かない。
意思決定がされていないのと同じである。

決めれば、動きだす。
決めてから動きだすまでの時間はない。
当然、意思決定のために、戦略が立てられているはずだ。
ただ、決めるだけでは、ランチメニューの選択と変わりがない。

戦略を立てつつ、意思決定が行なわれる。
戦略要素が決定までに列記されているはずである。
十分に要素が出ていなければ、昨日ときょうの行動が同じであれば、決めたものはない。
この時、決めるべき事柄は、起こりえる負の衝撃に対して備えるぐらいだろう。

時は進む。
周りも変化する。
自社だけが変わらなければ、自社と周りのギャップが広がるだけである。

正しいとされるのは、次に向かって、不確かな事柄に対して決定を行うだけである。
決定は正しいとは言えない。
昨日と同じで良いとする者、不確かであれば動けないとする者は、リーダーにはなれない。

不確かを如何に確実にしていくかが、マネジメントの知力である。



━━ ■ ━ レポート≪社会変化を観察する≫に2種類を追加しました。
「表現&思考構造変化を全国紙社説で追う2014年〜現在まで」
「社説キーワード変化を追う 2014年〜2016年5月まで」
http://www.seedwin.co.jp/report.html

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ブログの分析結果 http://www.seedwin.co.jp/ganba_rireki2016.html


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