◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2461号   2016/6/3 金曜日

≪人材育成――外に目を向けさせる≫

新人研修は、もう大半の企業は終えているだろう。
すでに、配属先が決まり、仕事を開始しているだろう。
学生時代と違い、学友のみとの付き合いだけではなくなった。
周りの人との関係は、大きく変わったことだろう。
自身で意思決定をし、仕事をしている人もいるだろう。

新人研修時に、自社の仕事、制度、商品等々については、話を聞いただろう。
自社を取り巻く環境の一つとして、市場について聞いた人たちもいるに違いない。
グローバル企業としての海外での仕事について聞いた者もいると思う。

しかし、企業を取り巻く環境、
日本の社会、世界の状態、世界の文化と仕事の関わりついて聞いた者はどれほどいるだろうか。
企業が社会での機能している状態と、社会との関わりついては聞いただろうか。
昔と違って、手元だけを見て、言われた事柄だけをしておれば良い時代は過ぎた。

初めて配属された部署が、企業での役割、自分の役割を承知していたとしても、
自部署が社会との関わりを実感できるかどうかで、仕事の精度は変わってくるはずである。


マネジメントの役割の中で次の二つがある。
この二つは、常に組織人材の考え、行動する方向を一定に定めている。
・組織特有の使命すなわち目的を果たす。
・自らの組織が社会に及ぼす影響を処理するとともに、社会の問題に貢献する。

「組織特有の使命」には2つの意味を理解しておかねばならない。

一つが組織特有の意味である。
組織が社会に提供しているモノが、社会にとってオンリーワンであるのが最も良い。
卓越した知識、技術、思考であり、その結果、もたらすモノである。
そのモノは、社会にあって、機能している。
機能している事柄が、使命になる。

組織活動をしていて、マイナスに働くモノがあるとすれば、
それを削除するか、プラスに転換させるようにしなければならない。
マイナスをプラスに変える力も組織特有の力であり、
その力をもって、他の社会の問題を解決する。

これら二つが、企業にとって最も大切な事柄であり、実行して、自社の利益を最大化していく。

仕事の仕方、ルールは、直ぐに分かる。
むしろ、仕事を始める前に、仕事の前提として、特異と使命、社会問題の解決力が要求されている。

自社特有であるかどうかは、周りの組織を見て、社会の様々な機能を知らねば分からない。
自社が如何なる役割を社会で果たしているかを知り、その役割を負っている自らを知覚する。
自社の外を見ていなければ分からない。

社会の問題は、仕事を見ていては分からない。
自社の外を、つまり社会を視なければならない。
他との比較も出来なければ、自社が機能している状態も分からない。

自社は社会にあって、自社の特異を発揮して、自社であり得る。

仕事とをするとは、人と人との関わりを作る。
部下、同僚、上司、顧客、等々との関わりを作る。
すべての人に、生活があり、習慣があり、人々の文化がある。
これらを知らずして、仕事の精度が上がるはずもなく、仕事が社会に対して最適化するはずもない。

「外を視る」は新人だけの問題ではない。
すべての人材が、外を視て、動きを見て、変化を知る。
そこに、知力が現れ、イノベーションが起こる。

すべての仕事は、自社の外から始まっているのだ認識してもらわねばならない。



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