◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2459号   2016/6/1 水曜日

≪人材育成――伝達者に必要な知識≫

如何なるガイドであっても、目的地を知っている。
目的地を知って、目的地までの道程をつぶさに知っている。
だから、ガイドに従えば間違いなく目的地に到達できるはずだ。

しかし、思考ガイドをする者は、どこに着くかは分からない。
知識、技術を伝達するが、伝える知識、技術が最終目的であるとは限らない。
最終目的地が如何なる光景であるかも、伝達者には分からない。
むしろ、学習者にとって最終目的地がスタート地点になる。
さらに、学習者が得た知識、技術を如何に使われるか、伝達者は想像できない。
伝達者は、自身も含めて、スタート地点に向かっているのだと思わねばならない。

科学を含む知識を伝えるとき、伝えるモノがすべてであるとしてはならない。
科学を構成するとき、多量の知識があって、その中から組み立てられるように組み立てた。
組み立てられた結果のみを学習者は知る。

科学を取り巻く状況を知ろうし、伝達者は知らせようとする試みが必要である。
何々の至上主義になってしまうと全体を見失う。
思考ガイドは、僅かな先を照らすのみだ。
照らされている方向へと進むかは学習者次第であるし、進め方も学習者に任せるしかない。
前の方向は、学習者自身にしか決められない。

教わる科学のみにこだわれば、過去にこだわってしまう。
科学が過去に得られたものだからだ。
科学を使って、新たな科学を自らに育ててもらわねばならない。
一般に言わるれるガイドと思考ガイドの大きな違いかもしれない。

仕事をする者は、成果をあげて目的を達成する。
一時の目的ではなく、連続する成果である。
方法を学び、成果をあげられたかは疑問である。
仕事を与えられ、方向と方法を決められ、目的を達成したとしても、自らの意思は少ない。
如何に、モチベーションを叫んだところで、自らの意思の範囲と比例する。
自らの意思が小さければ、モチベーションは低くなる。
適材適所は、仕事の種類だけではない。

仕事に慣れ、方向と方法を任さられれば、自らの意思の範囲は広がる。
意思決定の範囲が広がり、成果も意思決定に左右される。
そのために、視て、考え、創造しなければならない。

成果に導くために、基本となる知識がいる。
もちろん、専門知識の他にである。
マネジメント論、人材論、組織論、社会論は、意思決定のための最低の知識である。

経験を今後に活かすために、経験を知識に置き換えねばならない。
知識化論を知る必要がある。
新たに組み込まれた知識を体系化するための知識がいる。
体系化論である。
知識、技術を時に応じて活用するための機能化論がいる。

一つの知識、技術を学ぶ時、仕事に向かい達成するまでのプロセスを必要とする。

もう一つ、分析技術と共に観察技術が必要であり、目的を定めるためのアルゴリズムが要る。
仕事を終わった後に、自己評価できる評価技術が要る。
これらを組み合わせて、思考へと導ける。

これらは、育成に携わる者は少しでも知っておく必要がある。
同時に、これらの知識は、リーダーとしての知識でもある。
成果をあげ続けるための知識である。

完全に一つの部署、事業所を任されたとき、必要になる知識でもある。



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