◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2454号   2016/5/25 水曜日

≪経営思考/次元――次元を意識し探すモノを探す≫

自分が動いていると周りの景色が動く。
目に映る景色は動いていないのだが、自らが動くから周りが動く。
「景色が流れていく」は事実ではなく、自らの移動による錯覚である。
自分を中心にした表現になっている。

人は見たいところを見る。
興味が湧いたところを見る。
見たい所が見るべきところであれば良いが、上手くいくとは限らない。

朝、新幹線で、東京を出て、昼には博多に辿り着く。
朝の東京の光景から、午後の博多の光景を、そのまま、東京と博多の光景として認識する。
朝と夜の東京の光景が違っているように、博多の朝と夜の光景が違う。
自らが見た光景は、一点に絞られ記憶に残るが、瞬間の印象でしかない。

時間変化と共に光景が変化していく。
一つの場所に現れる人たちも、ずっと同じところに居るはずもない。

知識と情報の伝達は、今や瞬間に世界中に行き渡る。
知識と情報は、距離と時間をゼロにした。
伝わるが、知りたい所だけが伝わっていく。

見えたところが見えて、見えない裏側は知る由もない。

移動時間は短くなった。
一日で行けないところは少ない。
東京には、一日に、3500万人の人が集まると言う。
世界中の都会には、人口の半数が行きかう。
東京を例にすれば、世界から人が集まり、帰って行く。
遠い所から来た人が、遠い所のモノを持ってくる。
東京に来て、来た所のモノを東京に置いて、東京で得たモノを持って帰る。
各地から、東京に持って来て、東京のモノを、各地から集まったモノを持って帰る。

モノは物だけでなく、知識、技術、視点、文化、価値観、等々を持ち帰り、
各地で別のモノに変換されていく。

大都市には種々雑多のモノが集まり、活性化されやすく、目立つ。
都市部に人口の半分が集まるのだから、醸造され洗練される量も多いだろう。
地方に比べ、産まれるモノは多いが、人口比から考えれば大した差はないかもしれない。
情報はどこに居ても伝わる環境が整っているのだから、場所との関わりは薄くなる率は高い。

時間経過と共に、同じ場所、同じモノも変化する。
元の同じ状態であるはずもない。
新たなモノが作りだされたとしても、作り出されたままではない。
同じモノが他地域に移動した時、異なる思考が加えられ、異なるモノに変わる。
まさしく平行次元である。

異なるモノに変化した時、一つの知財では収まらなくなる。
知識、技術、もの、人の移動が少なかった頃、知財の有効期限は長かった。

視点は、四次元、平行、意識次元と重ねていくしかない。

モノが均一に全国に行き渡るには、年数がかかる。
移動が速くなったところで、人の知覚に落とし込まれるまでの時間がかかる。
全体に行き渡るずっと前に、次の数々のモノが生み出される。

過ごし方の時間を、一つの時間で押し重ねて、モノの動きを見る。
平行次元と、自らの持ち物と、意識を、モノの動きに重ね合わせる。

自らが動いている。
周りも、知らぬ所も動いている。

自らの持ちものを以て、意識するべきところを広げ、変化の傾向を捉えようとする。

探すモノを探す意識が大切になる。



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