◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2453号   2016/5/24 火曜日

≪経営思考/次元――前方を照らせ≫

━ 空間+時間で四次元になる。
自らが過ごしている所とは別に、まったく知らない所で、関わりのない所での活動がある。
四次元に他の四次元があって、合わせて平行次元、五次元とした。
さらに、他の次元を意識し、存在を意識するところに意識次元が現れる。
六次元である。

意識と思考の広さであり、他の関わりを意識するだけで、リスクが小さくなる。
見えないモノに対して、意識しないモノに対して対応はできない。
意識し、意識に対して、どれほどに準備をして、意識の向こうに進めるかで、戦略が高度になる。

見えないモノに怯える必要はないが、見えるはずのモノを見ないでいるのは愚かである。 ━


時速80キロで走っている自動車が止まるには、58メートルの距離が必要なそうだ。
58メートル以上の前方を知覚していなければならない。
ただ、モノがあるかどうかだけでなく、
進行方向の周辺の動きを予測しながら見なければならない。
実際に見えている範囲は広く遠い。
知覚しているかは別にして、多くを見ている。
多くのドライバーは安全と言われている状態で進んでいる。
自動車は、安全に進んでおれば良い。
時間がかかっても、目的地に到着できればよい。
目的地に到着するまで、アクセルを踏み続ける。
自身は、時間と共に進んで行き、前方の見えるモノも刻々と変わっていく。

電車や、飛行機、バス、タクシーに乗る。
乗り物の精度は分からない。
乗り物が新しいのか、古いのか、整備がされているのか、分からない。
運転している者を知らない。
進む方向を見ているのでもない。
乗り物に乗ったとき、何も思わず、考えず、目的地に安全に着くと思っている。
よくよく考えると恐ろしい。
乗り物の関係者から、誓約書を貰ったのでもなく、確認したのでもない。
ただ、信頼して乗る。

大きな事故が起こって、責任の所在を探したところで元に戻るはずもない。

乗り物には、制動装置がある。
ハンドルがあり、エンジンがあり、自らがコントロールできるモノがある。
コントロールしようとする意識がある。
第一に乗り物を走らせる軌道、道がある。


職場があり、職場に行く。
仕事があり、仕事をする。
仕事をする乗り物があるのか、乗り物自体が仕事なのか。

企業経営には、第一に軌道がなく、道がない。
前を見ても、前かどうかすら分からない。
企業経営には、窓はない。
360度の空間のすべてが見えて、すべてが見えない。
エンジンも無ければ、制動システムもない。
何もしなければ、企業はなくなる。
我武者羅に動かさなければ、進まない。

仕事をする。
目の前の仕事は見えている。
考えている事柄も、身体を動かしているのも分かる。
だが、前が見えているかは分からない。

企業経営では、企業人全員で動かしている。
全員が進む方向を見ているはずである。
もし、手元だけを見ているとしたら、進む方向は人任せになる。
何処に着くか分からないままに、前方の光景を知らずにいる。
もしかしたら、どうしようもない所に乗り入れようとしているのかもしれない。
顔を上げなければならない。

企業の進む方向に道はない。
時間が進んでいき、時間の前が見えるはずもない。
見ようとすれば、自らの思い以外にはない。

企業不振、不祥事がニュースとして現れる。
現れたときは、頓挫している。
それまでに、機関のどこかで異音がしていてか、煙が出ていたはずである。
正常に機能していて、壁にぶつかるときもある。
壁が見えなかったのだろう。
見ようとしなかったのかもしれない。

平行次元に気付かなかったのかもしれない。
平行次元にアンテナを出していたのだろうか。
平行次元を視るための機能があったのだろうか。

目的を示すのがリーダーの役割であるという。
その目的は、制動距離以内と、遥か遠くが必要である。
進むだけならば、存在するだけならば、自分だけで進めるならば、
三次元または四次元の世界だけで完結する。

窓はなく、すべてが見えるようになっている。
道はなく、どこにでも行ける。
制動距離以上に、視なければならない。

自社エンジンがどこにあるか、如何なるものかを知っている必要がある。
つまり、自社特異であり、ミッションであり、事業そのものである。
自らが進めば、前方の光景は刻々と変化しているはずである。
特異も成長しているはずである。
ミッションも少しずつ変化するはずである。
成功しているとき、ミッションは大きく変わるはずであるが、
ブラインドを自らが下しているのかもしれない。

経営では、具体物は見えないし存在しない。
意識のみが前を照らすライトである。

六次元までを意識して、やっとライトが点く。


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