◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2445号   2016/5/12 木曜日

≪知識と技術――知の技術≫

━ 一つ目の知識と技術は、自らの専門分野に関わる。
専門分野は個人の努力で、学習と実験を繰り返しながら最適を求める。

二つ目の知識と技術は、複数のメンバー、または多人数で一つの目的を達成させるためである。
代表される知識と技術はマネジメントである。

マネジメントは、理論ではあるが、知の技術として考えた方が良いだろう。
きょうは、知の技術をいくつか挙げてみた。 ━


視る、考える、行動する知の技術がある。
マネジメントについては、多くの人が知っているが、
実情は、マネジメントシフトが起こる前の、知識を踏襲している場合が多い。
今から50年前、社会経済が成長し続けていた時代の考え方が多く残っているようだ。

現在は、変革期であると認識しなければならない。
認識する材料をここで挙げようとは思わないが、
一度、変革期であるとして、社会や市場を観察してみるのが良いだろう。
直ぐに、5つ、6つぐらいは、変革現象に気付くだろう。

二つ目の知識と技術を、知の技術として挙げてみよう。
多くは、当社HPのタグにある『レポート』の項目の『マネジメント考』を参照されたい。

視る技術として、「社会を視る」に挙げられている社会への視点がある。
観察視点である。
社会を観察するとき、探すモノは、緊張、抑圧、潮流、転換、変革の5つに注意する。
社会だけでなく、組織内も、市場も同じである。
あるモノを観察する時、緊張、抑圧、潮流、転換、変革を探し、感じ取るようにしよう。
これは過去にも何度か述べてきているから、読者諸兄で覚えおられる方がいるだろう。
セミナーなどでも、何度も言っているし、セミナー時間中に覚えもらおうとしている。

社会を視る対象は、
視る対象は、生活形態、流通形態、労働形態、産業構造、人口構造、経済構造、国際政治の
7つがある。
これらの中で、緊張、抑圧、潮流、転換、変革を感じ取ろうとする。
視る対象の中心に来るのは、生活形態である。
個人の生活形態が、経済活動に大きく影響し、生活形態が変化するとき、経済が変化する。
兆候は、生活に現れてくる。

仕事で、考え、視て、守るべき事柄はバランスである。
バランスが崩れれば、緊張が起こり、転換が起こる。
誰かが、どこかで、変革を起こす。
『マネジメント考』の「思考&行動の最適化を図る」を見て戴こう。
17単語のバランスを表している。
仕事の中心に来るもの、原則としてとらえるべきもの、目的とするもの、等々を
3単語と5つのグループ(内1つは5単語になっている)のバランスを図れとしている。
基本は、個人、組織、社会のバランスである。
これが崩れると、社会問題が起こる。
仕事の中心に置いて考えねばならない事柄は、「資源、発展性、機能性、生産性、流通性」である。

個人の仕事としてバランスを図らねばならない事柄として、「活動バランスの基本」を挙げている。
オペレーション、マーケティング、アカウンティングが仕事の基本になる。
組織内情報流が活性化していなければならない。
組織内障壁が一つでもあれば、その部分が最悪のボトルネックになる。
団塊の世代の定年時期を迎えたとき、組織内知識がワイングラス型と言われた。
この大きな原因は、組織内での知識流、技術流が停滞していたためである。
現在の多数の組織を観察しても、未だ、是正されていないようだ。
この時、原因は育成がされていなかったとし、OJTが考えなおされた。
OJTの問題ではなく、組織内情報流の問題なのだ。
リーダー育成のためのセミナーをよく行っている。
このとき、リーダーの仕事について聞いてみると、
「他部署との連携を図るようにする」が必ず出てくる。
裏返せば、組織内情報流が出来ていないと言っているのだろう。

しかし、出来ていないのならば、大急ぎでシステムを構築し、行動しなければならない。

マネジメント書の項目に「情報組織足らんとせよ」がある。
隣の部署が何を行ない、自部署と如何に連携し、自部署に影響するかを知覚するのが第一である。
でなければ、組織が組織としての活動ができていない証しになる。
組織力を阻害している。
情報組織が徹底されれば、組織成果は急激に伸びるはずである。

『マネジメント考』の「十分な思考を築くために」がある。
部分と全体、現在と未来、内部と外部、相関と相反の組み合わせである。
この方法は、新規事業を計画するためのテーマ設定の入り口である。
習慣と思い込みの枠組みから逃れる手段であり、考えるための技術である。

もう一つ、発想法がある。
過去に何度か発想法が流行した時期があった。
組織行動としては、どれも上手く行かなかったようだ。
原因は、現状視点の不足からだ。
自らの仕事を中心としてスタートするが故に、現状と合わなくなる。
社会からスタートしなければならない。
顧客と非顧客の関係から、自社と社会のギャップからスタートしなければならない。
優れた発想法であっても、前提とスタートが社会とズレていては効果はない。
当社HPにも一つの発想を示している。
HPタグの「レポート」に知の技術があり「創造発想法」を挙げている。

コミュニケーション力についてよく言われている。
だが、コミュニケーションは必然であるが、上手さは大して問題にならない。
大切なの、仕事の成果である。
コミュニケーションの上手さよりも、成果の実現の方がはるかに雄弁である。
コミュニケーションについても『マネジメント考』で表しているが、
コミュニケーションの目的として表現している。

知の技術はたくさんある。
一つでは、大して役に立たない。
いくつかについて、考えてみる必要があるだろう。



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