◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2434号   2016/4/19 火曜日

≪改善か、革新か――改善と革新の判断区分≫

━ 新規市場に参入したとき、新商品が投入されたとき、改善意識が強くなる。
市場が横並びになり、差別化が意識され始めたとき、商品が多機能化したとき、
市場が満杯に近づいたとき、改善では追いつかなくなる。
革新の時である。

改善と革新は、平行して進む。
維持すれば良いは、衰退へと進むのは承知している。
常に前へ進んでいなければ、市場の衝撃に耐えられなくなる。

個人によって、改善を好む者と革新を好む者に分かれる。
両方が得意である人材は稀である。

人材の特徴をよくつかみ、改善か、革新かを組み立てておこう。 ━


市場段階が5つある。
1.新規商品が投入されたとき。
2.新商品が次々に投入されているとき。他社も同様である。
3.競合との競争が激しくなってきたとき。
商品サイクルが速くなってきたとき。
4.開発が横並びになってきたとき。
5.市場限度に達しつつあるとき。

1が最も改善意識が強い。
商品が市場に認知され、普及し始めてるときだ。
新商品が次々に投入されているときは、産業または市場が活性化している。
同業者、関連業者は、市場への関心時が高くなっている。
3の段階に入ってくる。
そして、開発するものの範囲が限られて、技術が類似してくる。
目先だけに囚われやすくなる。
このとき、改善に視点を置いておくと、下手をすれば取り返しがつかなくなる。
各企業が横並びなっているときは、視点は革新しかない。
もちろん、従来の商品に関わる改善は怠れない。
だが、重心は、革新に行く。
5の市場限度に達したとき、新たな商品、新たな概念が飛び出してくるか分からない。
革新に没頭している必要がある。

上記、1が最も改善意識が強く、5が革新へ向かう力が強い。
常に改善を心がけ、常に革新を図っていなければならない。
現状の産業を見ると、3〜5の状態が多い。
家電、製薬、精密機器等々は4から5の状態である。
金融、自動車、鉄鋼、従来からの産業は転換の時期である。
4と5の状態に入ってくると、M&Aが目立ってくる。
規模に頼るが、市場に革新が起こった時、後手に回ってしまう。


もう一つの目安すが、4つある。
1.道具・機械進化が起こっているときは改善に重心がいく。
改善だけで安心していても良いかもしれない。
だが、機械進化が、新たな市場を産み出すときがあるから注意を必要とする。

2.産業のための前提科学が固定してしまっいるとき、産業の進化は期待薄になる。
他の科学と重なるか、産業の方向が転換するしかない。
この状態になっているとき、市場安定を図るしかないかもしれない。
前提科学と他の科学の混合、融合が始まるときを待つことになる。
革新をしたいが、手がかりが少ない。
無機・有機化学とバイオの関係などもそうである。
科学概念の新分野を作り出すか、待つしかないだろう。
多くの場合、改善へと産業は動き、市場で淘汰が始まる。

3.市場レベルの認識が導入時であるか、周知になっているかが問題である。
周知になったときは、革新が起こる寸前にある。
市場認識が始まったとき、改善と革新の2つのチームが動いている必要がある。

4.一つの科学分野が発展途上にあるときは、何時、革新が起こるか分からない。
革新がどの産業で興るかも分からない。
科学の活用は、多数の産業に関わる。
一つの科学が一つの産業のみと関係しない。
常に多数の産業と関わる。
全産業と関わるならば、科学インフラとしての機能を持っている。
情報、IT等は社会インフラの道具として考えておくしかない。
インフラの産業はいくつかある。
説明するまでもないだろう。

上記の5つ、4つの目安が重なって、改善と革新が行われている。
自社とはどのように絡んでいるのかを検討しておく必要がある。

改善か、革新か。



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人文組織工学のページ 『人材論3≪人材の育成≫』を更新。2016/4/18
組織内教育の方向性、目的、教育体系構築のポイントを示した。


― 人材に高めてもらいたい能力が7つある。全組織に共通する事柄がある。
本ブログでも何度も表してきた。
せめて、一人の人材に、一つか二つの能力向上を求めている。
1.機会生産  2.ビジョン生産  3.革新持続  4.最適化推進
5.資源人材育成  6.科学論理生産  7.新資源生産

どれも簡単には出来ない。
日々、学習し、鍛練し、外部を観察し、実際に試してみなければならない。


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