◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2429号   2016/4/12 火曜日

≪人材への姿勢――環境に姿勢が現れている≫

人を知らねばならない。
仲間を知り、チームを知る。
人が望み、期待し、熱中できるものを知り、場と作業で具体化する。

彼らができないものを強要すれば、嫌気がする。
できるものを提示し続ければ、当然、飽きがくる。
面白みは産まれない。
今までしていなかったが、できるはずのものを要求しなければならない。

してもらう作業に意味を見いださねばならない。
している作業の全体での位置が分かり、果たしている役割を知っている必要がある。
如何なる役割であって、如何なる結果が出てくるかが分からねば、精度の上げようがない。
ただ、すれば良いだけになってしまう。
自らの貢献度が分からず、仕事に意味を見いだせない。
当然、時間給を計算してしまう。
時間給を考え出すと、身体が拘束されている感覚が強くなる。
モチベーションは下がり、ストレスが溜まり出し、役立たずのようになる。

優秀な人材ほど、目的を知ろうとする。
目的が分からない仕事には熱が入らない。
始めは、与えられている仕事の結果のみの目的かもしれない。
慣れてくるに従って、自らの仕事の結果がどうなるのかを知ろうする。
だんだんと、仕事の結果が先に進むようになって、組織全体の目的を知ろうとする。
部分から全体へと思考が広がっていく。

目的を知らされずに、着地点が分からずに仕事をさせられ続けると
優秀な人材は、自らを腐らせ、別の価値を探し始める。

如何なる人材にも、目的を示され続ければ、初めての仕事であっても、目的を知ろうとする。
自身の役割の意味を考えようとする。
成果を考えるようになる。

若い人は、職位に意味を見いだす者が少なくなったと言われている。
リーダーにならなくても良いと言う人が多くなった。
この見方が少々違うのだ。
目的を知らなくても良いと言う人は少ない。
ただ与えられた仕事をすれば良い人もいるが、
成果と、自身の満足と、報奨が絡んでいると分かった時、自らの行動の意味が変わる。
人は、自分が重要な仕事をしていると分かった時、彼自身の姿勢が変わる。


美術工芸品の中で育った人は、美意識が強くなる。
書籍の山の中で育った人は、読書に対しての違和感を感じない。
読書が当然のようになる。
サーファーに育てられた子供たちは、サーファーになる確率が高い。
例はいくらでもある。
もちろん、逆の例もあるが、確率は低い。
悪い意味ではなく、蛙の子は蛙になり易い。
ならなくても、蛙の意味をよく知っている。

離職率の高い組織での、ストレスは高く、モチベーションは低い。
残り続けている人材は、新人のストレスを高くする。
力押しでしか、その組織は成長できない。
言うまでもなく、力尽きるときがくる。
この組織に方向転換を提示するのは簡単であるが、転換はかなりの痛みを伴う。

ある企業の開発担当部署を訪ねた。
部署と言っても、200人ほどが居る。
二階のフロアーに全員が居て、三階から、二階全部を見渡せた。
三階には、部長以上の人と、彼らのための接客スペースと会議室があった。
二階の一人ひとりのスペースは広く、顔を上げれば見渡せるほどのパーテーションがついていた。
しかし、静かで、話し声が聞こえない。
動き回る人もほとんどいない。
キーボードを叩く音だけが聞こえてくる。
聞いてみると、隣の席の人との会話はメールでしているそうだ。
オフィスの設計意図は、全員が話をできるようにしたそうだ。
三階から全体が見れるのだから、静かなのも、納得できるような気がした。
人材に対する姿勢が現れたオフィスである。

コミュニケーション率の低いところは、成果効率が悪いそうだ。
情報流、知識流が低いのだから、当然だろう。
コミュニケーションは、システムと行動が一緒にならなければ、成果は上がり難い。

自由度の高いところ、責任と権限が与えられているところは、活性化しやすい。
統率、管理を重視すれば、猫の手軍団になる。
計画された結果よりも常に低い値を示す。
引くなるから、力押しをする。

姿勢がシステムと環境に現れる。

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