◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2423号   2016/4/4 月曜日

≪ミッション――意味と方向を示す≫

━ 企業活動でミッションほど大切なものはない。
ミッションがなければ、その時々の営利目的だけで動いてしまう。
ミッションがあって、商品の方向が決まり、人材の活動の目的が決まる。
ミッションは、企業の特徴を表し、活動を際立たせているはずである。
如何なる人材を必要としているかを明らかにする。
企業特異を明瞭にする。 ━


昨年に、日経225の企業のミッション、社長あいさつ、企業理念、事業紹介をHPから集めた。
これらの中から、社長コメントを取り出し、分析し、一つの結果としてまとめた。
その結果をホームページ「レポート」に『日本の社長』としてアップした。1/26だった。
http://www.seedwin.co.jp/report.html

文章を読み、分析結果を見て、大企業の社長は気の毒だと思った。
たくさんの人材を抱えて、まとめていかなければならないのだから、大変なのだろう。
気苦労も多いだろうと推測する。

イメージしたのは、
大家族のお父さんが、給料の枠内で、食べるために四苦八苦している姿だった。
規模こそ比較にならないほど違うが、明日の糧を用意しなければならない。

お父さんならば、服装などはどうでも良いかもしれないが、
大企業ともなれば、一定以上の衣装を着なければならない。体裁を整えねばならない。
きょうの糧のために、深く考える時間などはないのかもしれない。
いきなり、社長メッセージは「社会に貢献する」となる。
大半の社長メッセージが類似してしまう。
当たり障りのない、誰もが否定しにくい内容になっている。
社名を変えても、通じてしまいそうな文言が並ぶ。
100%ではないが、大半が類似する。
日経225以外の企業を調べてもよく似ている。

「社会に貢献」していなければ、企業は存続しないのは当然である。
貢献して当然だから、如何なる貢献なのかを明らかにしなければならない。
そのために何を持ち、何を実現させるのかを語り、方法と方向を示さねばならない。
異なる知識を持つ、異なる価値観を持つ人材を一つにまとめなければならない。
所属する人材だけでなく、顧客、株主、非顧客も含めて、納得してもらわねばならない。
所属する人材は、誇りを持てなければならない。
人材は大企業に所属しているだけでは、実力の発揮しようもない。

その柱になるものが、ミッションである。
ミッションは具体物ではないが、具体的でなければならない。
行動に置き換え、行動の方向を示していなければならない。
人材のすべてが、目的に向かって、自らの力を精一杯発揮できるようにしなければならない。

ミッションを考えている人はよく分かっているだろうが、意外に、大層、難しい。
考えても、なかなかに答えが出てこない。
何か月もかかるときもある。
新しく、事業を立ち上げようとすれば、何年もかかるかもしれない。
「何々をする」では収まらない。
実現するモノ、社会で機能している状態、
機能が進化して、すべての人が納得できる状態を作り出さねばならない。

それらが、ミッションとしての言葉になる。
単なる言葉であるが、旗印になり、意味を持つ。
戦場での旗は、敵味方を峻別し、見方の旗の基では、少なくとも安心感を持たせる。

国境は稀薄なっている。
稀薄になって、一定の条件の基で、より発展する。
市場の境界は、まったく存在しない。
市場の枠組みがあるのかさえ不明である。
顧客と非顧客の区別はつけにくい。
市場があったとしても、多数の市場が重なり合う。

業界別に各企業のミッションを見比べると区別が付きにくい。
横並びの状態である。
飛び出しにくい状態である。
今までの積み上げがそのまま勢力地図になっているが、
横並びの旗印であれば、次の予想はできなくなっているし、安定しているとは限らない。

性質の異なる企業が同じ市場に参入してきたとき、混乱をきたす可能性がある。
今まで、産業地図が塗り替えられてきた原因の大半が異なる性質の新規参入だった。

現状では、規模拡大へと向かう。
果たして、数年後に、1+1が2以上になっているかは疑わしい。

異なるミッションが一つになったとき、別のミッションが出てくる。
活動範囲が広がる。
枠組の転換になる。

自社ミッションを確認し、組織人に浸透を図ってみよう。


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━━ ■ ━ 2016年のBLOG履歴に11年間のキーワード変化
『ちょっと頑張ろう』の11年間の各年の2月だけを取り上げ、キーワードの変化を表した。
キーワード群に分析値(単語重量値)による意識の強弱変化を表している。

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