◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2412号   2016/3/17 木曜日

≪ものづくり――願望の対象≫

━ 売るために必然のキーワードが2組、各3単語ある。
第一が「楽」「速い」「格好よさ」、第二が「金」「陳腐」「エロス」である。
これらが組み合わされば、売り易い。
キーワードの2つ、3つを商品に取り入れれば、利を取り込める。

単純ではないが、抑え、秩序を保つ役割をするのが、制度、知識である。
二組のキーワード群と制度と知識のバランスの範囲で「ものづくり」が進められている。
社会システムの意味の変化が現れている。 ━


商品群は、願望、または欲求、欲望の結果として求められる。
個人的な範囲で解決できるものと、社会で、個々の相対的に求められるものがある。

個人的な範囲では、健康、幸福、安定、自由等々があげられる。
社会的な範囲では、富、利益、名誉、地位があげられ、権力、権威も含められるかもしれない。

健康では、食に関わるもの、運動、医療などがあげられる。
医療は、制度の中で解決される要素が大きい。
幸福は、人との関わりが強いだろうか。
家族、仲間、そして日々の生活に求められる。
安定は、社会的な要素が強く、
社会の平和が前提になり、安全と秩序、規則的な律動が求められる。
自由は、時間と移動に関わるのだろうか。
社会の正統性によっても制限がある。

社会的範囲での富とか、名誉、地位は、仕事と組織に関わる。
富では、金融商品に代表される。
投資、投機で経済全体が動き、富が左右されている。
実経済とのギャップが広がりつつあり、金融に新たな制度が産まれてくる可能性が高い。

富、名誉、地位等々は、
社会と個人、社会と組織の関わりで確定され、他との相対的比較での満足になる。
競争としてとらえられる。

社会発展のプロセスで、健康、幸福、自由は定義が変化してきた。
50年前までは、60歳を寿命としていて、退職後は余生と考えられていたが、
今では、セカンドキャリアが中心になっている。
伸びた寿命のところでの市場または産業が増えただけでなく、産業の重心が移動している。
寿命との関連で、商品テーマの重心が移動しているが、年代別に取り上げれば変化はない。

個人的範囲で解決される産業、商品群は直接的なものが多量にある。
健康食品、運動に関わる商品群、イベントがある。
幸福に関わるところでは、旅行、趣味があり、住宅も関連している。
個人的範囲では、「商品が増え、淘汰される」が繰り返されるだろう。

社会的要求を満足させる商品群は数が少ない。
リスクが大きいからだろうか。
物として、解決できない部分が多い。
どれもが競争で、ゼロサム的な範囲から抜け出せないでいる。
勝者がおれば、負ける者がいる。
せいぜい、負けない程度にコントロールできるぐらいだろう。
それでも敗者はいる。

敗者をなくし、格差を取り除く新たな経済論、政治論が求められているのも確かである。
だが、未だ、出てくる可能性は見えていない。

現在で、可能なところは、
一つの枠組みである組織内で、全員が達成できる方法とシステムを用意するぐらいだろう。
役割と報奨、名誉と地位への満足は実現できるかもしれない。
終身雇用から転職が認知され、起業家が増えている。
雇用契約形態が多様化し、仕事の仕方が増えている。

知識社会である。
知識が「もの」を作る。

仕事の仕方、活動ステージ、知識の多様化と専門化が、社会的欲求のとらえ方を組み替えている。
上手く組み合わされた組織システムは、人材を集め、組織成果のあり様を変える。

「ものづくり」としての「もの」のとらえ方が、枠組みとシステム、物とが組み合わさっている。
当然、「つくる」の意味も変わりつつある。



━━ ■ ━ 人文組織工学のページの
『組織論2≪社会変化を見つける視点≫』を更新しました。


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