◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2409号   2016/3/14 月曜日

≪ものづくり――ものとは何か≫

━ ものづくりの言葉は、古くはなく、1980年以降に始まっているようだ。
単純労働の作業から離れ、技術を主体にした生産を示している。
和製単語で、イメージとして、伝統的な技術、匠を表そうとしている。
思惟的な言葉であるかもしれない。

1999/3に「ものづくり基盤技術振興基本法」が公布され、メディアで使われるようになり、
一気に「ものづくり」が広がったようだ。
2001年に「ものつくり大学」が設立されている。

「ものづくり」「ものつくり」の「つ」の濁点有無はどちらでも良いようだ。

1999年から始まった語としても良いかもしれない。
まだ、20年もたっていないが、随分と浸透している。 ━


ものづくりは、物を作るための技術を表している。
高度技術、精錬された技術を中心にした生産である。

ものつくりの言葉は、2000年ころから盛んに使われ、「物」に関わる。
ものつくり大学の起こりは、建設現場での熟練職人の不足からだそうだ。
製造業での高齢化に伴う技術者の不足から、製造業が加わった。

今では、ものつくりは製造業を中心に使われているようである。

「ものづくり」の発生を考えれば、「物」ではなく「技術」が主役のようである。

労働形態、就労形態が多様になり、機械化と制御システムが高度になり、
直接に物の生産に関わる労働人口は激減した。
減少は2000年からではなく、機械化とコンピュータの導入が伴っているから
加速していくのは1970年頃からだとしてもよいかもしれない。

大工場の規模と生産量、そこで働く労働人口を比べれば、
規模と生産量は拡大し、労働人口は減少している。

機械、電気、電子、制御システムが発達し、肉体労働がゼロに近付きつつある。
素材、材料、エネルギーが、生産のあり様を変えている。

「ものづくり」は「ものづくり」ではなく、意味は技術開発へと移行しいる。

言葉の扱いとして、直接的意味ではなく、背景、前提的意味が中心になっている。
「ものづくり」を物作りとしてとらえて考えるのではなく、
技術が中心となり、技術の背景には、日本の匠としての哲学があるようだ。

言葉通り受け止めて考えるのではなく、匠哲学、技術目的として考えねばならない。
技術の発展には科学進化がある。
基礎研究だけでなく、科学の使い道としての姿勢がある。
体系化された科学が機能化されて、思想が絡み合って技術が産まれる。
技術を中心にして改善改革を進めていけば、科学体系へと進んでいく。

科学と技術は互いに作用しながら、進んでいる。
社会が必要としているモノ、不足しているモノを、
できるだけ多くの人が手にできるように生産される。
そこに、思想が産まれ、活用での思考錯誤が行われている。

経験が知識になり、体系化して科学になる。
伝達できるようになり、目的に応じた技術になる。

「ものづくり」は、必要、活用、技術、科学が重なり、知識になる。

「ものづくり」を「ものづくり」としてとらえれば「物」に縛られる。

「ものづくり」は、元々の起こりが、日本の匠だった。
この匠を発展、進化させるように、考え、試みなければならない。



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