◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2405号   2016/3/8 火曜日

≪社会変化を追え――変化の兆候を見逃すな≫

自分の両親が、自分と同じ年代であったとき、社会はどんな状態であったかを知っておこう。
20年から30年前の社会の状態である。
感じ取れる大きな変化は、20〜30年前を見ればおよそ分かる。

例えば、1990年、まだ携帯電話はなかった。
TV多チャンネルもなかった。
グローバルなどは意識にはなかった。
意識にはなかったが、すでに進み始めていた。
学校が週休二日制になったのは1992年だった。
この頃に1ドルが100円になった、等々。

何が起こり、何が始まったのかを考えてみる。
両親が当時に考えもしなかったことが今、起こっている。
e-コマースがこれほどに発展するとは思わなかった。
自分がこれほどに活用するとも思わなかった。

携帯電話は多機能電話に変わった。
コピー機が多機能になったのはいつだったか。
多機能になってはいるが、今では、使われる頻度が激減しているそうだ。
携帯電話の多機能は、いずれ絞り込まれていくだろう。

考えなければ、変化を見ようとしなければ、変化は分からない。
変化の結果を待っていては、先頭を行けない。
先頭を行くつもりがなければ、来た電車に乗れば良い。
その電車はどこに着くか、いつ着くかは分からない。
来た電車に乗り続けていると、
リーダーシップが取れないだけでなく、自らを陳腐化させるだけになってしまう。

20年前と現在との違いが分かったところで、20年後が分かるはずもない。
ただ、現在とは大きく違っているだろうと思うだけだ。
しかし、変化の兆候は見つけなければならない。
変化として現れていないが、新しく始まったものは何かを探さねばならない。
自身の分野でならば、見つけるのも容易かもしれないが、誰もが気付く。
誰もが気付いて、行くところまで行っている。
現在は、各分野が、行くところまで行っている状態である。

産業別に各企業を見ても横並びの状態である。
市場を観察して、市場変化を追うだけでは済まなくなった。
満杯になり、余分なものを取り除き、陳腐化しているところが多くなり、
市場に飽きられているところが多くなった。

初めて新商品が出てきて、市場を驚かしていたものへも不満が出始めている。
精密機器、製薬、電機機器、通信、IT、どれもがいっぱいである。
自動車は、開発方向が業界全体で一つの方向を目指している。

使われなくなったか、使用が激減してきた商品があり、
業態変容を社会から強制されている産業もある。
フィルムはその一つだろう。

企業の職種別組織図を見ても境界が曖昧になっている。
業務が重なりあい、各業務の責任範囲が定かでなくなり、見過ごされ、問題化している。

産業も職種も見直す必要がある。
区分そのものを、一度取り払って、再編ではなく、定義のし直しが必要になっている。
多機能化が既存カテゴリーを無意味にした。

今まで異なっていた分野が一つになり、多機能化し、分割され、別分野が産まれる。
多機能化が始まった時点で、分野の混合が起こっている。
当然、混合と融合の仕方が変化する。
多機能化が進み始めれば、5年後には別の商品が産まれるはずだ。

今、多機能化が始まった分野は何か。
いっぱいになっている技術、商品は何か。
分解され始めた商品は何で、市場転換が起こっている分野は何か。
流通が変えている分野は何か。

問題が顕著化している分野は何か。
問題は解決へ向かう方法と、問題を避ける方向へ進む二つがある。
解決の方法は、問題を転換させる場合がある。
問題をまともに解決しようとする方法が、現在のところもっとも愚策かもしれない。
時間とコストをかけ、解決だけで発展がない。
問題を避け、代変えを作りだす方が、市場を一新しやすい。
代変えが直ぐに出てくるのであれば、コストも低く、リスクも小さい。

スタートをいつ切っているかである。
気付いたときが始まりである。

多機能化が始まった時、
各企業の方向が一致し始めた時、
他の技術の導入を始めた時、
境界が分かり難くなった時、すべて、革新が始まる時である。



━━ ■ ━ レポート≪社会変化を観察する≫に2種類を追加しました。
「表現&思考構造変化を全国紙社説で追う2014年〜現在まで」
「社説キーワード変化を追う 2001年〜2015年」
「社説キーワード変化を追う 2014年〜現在まで年」


copyriht© SeedWin all rights reserved.