◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2396号   2016/2/24 水曜日

≪組織にとっての社会――動いている社会≫

社会は、多機能化から多元化してきている。
社会は、政府、公共機関、企業、NPOからなる機能社会である。
それぞれが、社会の一つの役割を果たしている。
政府が社会の問題をすべて解決できるはずもない。
方向を示しても、実行は出来ない。
いわゆる政府の分権化である。

社会の富を築くための機能、問題を解決するための機能、秩序を維持しようとする機能がある。
それぞれの機能が、互いに重なりあい、絡み合い社会が構成されている。

アウトソーシングが国内で言われ出したのは、2000年の少し前だった。
今ではアウトソーシングが当然のようになっている。

組織内に固有の機能として持っていたものを他組織が請け負うようになった。
一つの専門分野の組織が、あらゆる他の組織の機能を受け持っている。
多元化してきたのだ。

請け負う機能は次第に高度な専門になり集団になっている。
一つの社会機能を担う組織は、
組織を維持、運営するための機能の一部を他の組織にゆだねるようになった。
多元化社会への移行であり、高度に分権化してきている。

給与計算と支払実行、清掃、物流、生産ライン、営業もある。
製薬会社が抱えるMRを派遣している企業がいくつかある。

分権化されて、さらに高度な知識と技術が要求され、多元社会になった。
国内にかけられているはずとするカスタマーセンターが、海外にあるのもよく知られている。
IT技術の発達と高度に整備された物流が、小売りの形態を変えた。
多元化された機能社会の結果である。

産業構造が変化している。
多元化された機能の一つ一つが絡み合って、新たな機能と価値観を産み出している。
これから如何なる機能が産まれ、なくなっていくは分からない。

多元化が、多くのメカニズムを創りだし、仕事の形態すらも変えている。
昨年『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』なる本が出ていた。
ITが、仕事スタイルを変えたかのように見えるが、知識社会が、仕事のあり様を変えたのだ。
『オフィスのない会社』が人々に馴染むかは別にして、業務として機能しているのは間違いない。

経済社会であり、経済を基盤としている社会である。
だが、NPOがあり、社会事業が発達してきて、工場での労働力が激減した。
知識労働者が増え、中核に、コンピュータが一台あれば仕事が出来る人がいる。
知識社会であり、情報社会でもある。

組織が物理的構成から、生物的構成に変わりつつあり、
各人の仕事の始まりと終わりが他の機能と関わり合って、目的を成し遂げる。
組織維持と発展の方法と方向が変化している。

以前にTVで病院を辞めた麻酔医が放映されていた。
いくつもの病院で麻酔医としての業務を請け負うようになった。
麻酔なる業務が果たせれば、問題はない。
病院側は、雇用契約をして、人材を確保するよりも、コストは下がるだろう。
麻酔医にとっては、時間をコントロールできるようになり、収入も増えたそうだ。
仕事のあり様を変え、自由を得た。
まさしく、知識を活用する仕事のあり様かもしれない。

知識と情報、これらを支えるインフラは、業務成果を遺伝子的に結び付け受け渡す。

これらが良いとか悪いとかではなく、業務スタイルとして受け入れられるとすれば
産業の一つが産まれるかもしれない。
産まれるだけでなく、他の産業を変えるかもしれない。

知識を持って仕事をする者にとっては、自由と知識活用分野を広げられる。
すでにかなりの多くの人が、オフィスのない会社で仕事をしているかもしれない。
さらには、オフィスのないいくつもの会社に所属しているかもしれない。
彼らは、彼らの機能を十分に発揮している。

セカンドキャリアとして仕事をしている人と名刺交換をした。
その人のオフィスの住所は「インターネット空間」と書かれてあった。

もしかしたら、すでに始まっている未来かもしれない。
社会的イノベーションが起こりつつある。



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