◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2390号   2016/2/16 火曜日

≪組織を分析する――知識と特異と市場転換のために≫

組織規模が拡大していくときの原動力は何か。
大半の場合は、売り上げを挙げるだろう。
売り上げが伸びなければ、規模の拡大ができないのは当然である。

逆を言えば、売り上げが減少したとき、規模を縮小しなければならない。
規模拡大は簡単であり、縮小は困難である。
規模拡大時に必要とするエネルギーより、縮小エネルギーの方が比較にならないほど大きい。
規模縮小の経験すれば分かるが、できれぱ、縮小などはしたくない。

拡大時は、拡大する欲望の抗しがたい誘惑があり、縮小時は怖気る脅迫がある。
多くの人々が、成長と衰退を経験するが、拡大と縮小が周期を持って現れていると知っている。
そして、いつも、学習していないと思い、次には、縮小が現れないようにしようと決意する。

決意が決意で終わってはならなず、システム化しておかねばならない。
制度の構築と、ルールを破ってよい時の区別を明確にしておかねばならない。
どちらにしても基準と枠組が必要なのだ。
作ったとしても、これらを見直す時が来るから、基準と枠組は在って無きが如きである。

すべての組織の共通したルールはなく、組織のあり様に違ってくる。
成功事例などはなく、失敗事例は無数にある。
100年たらずの歴史を視ても明らかである。
人的リストラ、資産売却等々の経験した組織は無数にある。
もちろん一時的成功はあるが、継続した成功であるかは、最後まで分からない。
成長の最後はないとするのだから、結局は分からない。
巨木が倒れるときがあるとするのが自然かもしれないが、
少なくとも自分たちが活動しているときは無いようにしたい。
法的に分割された組織もある。
すべての経営者層の人たちにとって、泣き所である。
根幹にあるのは、継続である。
確実に言えるのは、状況の把握が必然である。


大きくは、社会と市場、産業、科学の観察は外せない。
これらを無視して、組織の存続はあり得ない。
「組織と社会の共存」を唱える経営学があるとすれば、思考的な大きな罪である。

組織規模は、社会状況の変化と科学進歩と市場規模変動に左右される。
現状の組織には、必ず最小と最大の規模がある。
同一市場で、無限はあり得ないとする。

最小と最大規模の間で、成長を如何に図るかである。
2つの戦略が必要になる。
知識戦略と機能戦略である。
知識は、知識の組織内外の移動と習熟と活用である。
知識は、知識変動に関わる組織特異の成長である。
機能は、組織の社会での機能であり、市場成長と市場転換、市場変革である。

急激な規模拡大は、市場が急成長しているときの組織適応だろう。
現在の規模での人材能力と、新規採用された人材能力の合計が市場成長に適応しなければならない。
10人で対応していた市場に対して、さらに10人を採用したとき、戦力は20人分にはならない。
20人分になるとき、どれほどの時間を必要とするのだろうか。
まず、この数値を出しておかねばならない。

対応している市場規模と人材の適応係数と言うべき質と値である。
規模拡大に伴う育成と活用が計画されていなければならない。
計画を超えるとき、一人を余分に採用すれば、既存の一人分のパワーが半減する。
採用した人材パワーは初期はゼロである。
計画外で減少させても可能な範囲は、目安として利益率の1/4以内である。
もし、この値をこえれば、精度に問題が出てくるか、生産性を下げる。
この値はかなり小さい。
急激な拡大は、この値が計算されていなければ、市場適応率を下げる結果になる。
下手をすれば、組織は危機に直面する。
規模拡大にかかるパワーは、拡大を計画しているときから、組み込んでいなければならない。

知識と労力の関係、労力と成果の関係を表しておく必要がある。
組織内の知識分析が必要になる。
知識と技術の習熟性のスピードと組織拡大のスピードが一致または近似でなければならない。


規模縮小は、市場の転換で、回避できるはずである。
市場転換が直ぐに出来るはずがなく、転換した戦略が最適かは分からない。
いくつかの転換を試みなければならない。
周知のとおり、パイロット操業が必要である。
一つのパイロット操業のために、いくつかの開発と基礎研究が必要なの言うまでもない。
基礎研究をせずに、いくつかの開発を行うには、知識流通を図っておかねばならない。

組織外の知識変化、組織内の知識分布である。
一般に、商品・サービスから知識分布が行われているが、間違いである。
商品・サービスからの知識分析は、現状分析であり、市場転換、変革の要素にはならない。
人材が持つ、もしくは眠っている知識抽出であり、知識活用の市場である。

商品・サービスに知識を見いだそうとするのではなく、人材そのものに知識を求めるのだ。
もちろん、商品・サービスに見出すのは必要であるが、見いだそうとする方向が違う。
知識・技術を使って商品・サービスを創り出した組織の特異を見つけなければならない。
この特異こそ、組織の組織足らしめる知識なのだ。
他のどこにも存在しない、一組織であると示す知識である。
特異が組織の核になる。
特異を見いだし、明確にし、人材が持つ知識を引きずりだす。
組織人材の知識群を、組織の特異に組み合わせたとき、産み出されるものが何かである。
ここに、市場転換がある。

組織の特異と、知識群の組み合わせが、機能戦略を可能にする。

組織機能、組織の特異、組織人材の知識群、これらが、現在の組織に要求される分析である。



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「教育目的達成のための伝達構造」です。

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