◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2379号   2016/1/28 木曜日

≪情報組織へ転換――情報流を活性化させる≫

隣の部署、他の事業部が何をしているのか知らなければ、無駄、ムラが多くなる。
同じ組織で、隣の部署の知識、技術を活用しても良いはずである。
使わせてもらうのにどれほどの問題があるのだろうか。

隣の部署の活動と自部署の活動が重なっているのは、組織構造に問題があるのだろうか。
それとも、情報流に問題があるのか。

営業活動をしていて、一人の顧客にいくつもの部署が訪れている時がある。
顧客にとっては、甚だ迷惑である。
一つの部署の営業を受けていて、顧客が商品について尋ねても他部署の商品を知らない時がある。
不便極まりなく、同時に、組織にとっても時間と資源の無駄使いである。

開発部門が、商品に関する基礎研究の内容を知らない場合もある。
社会で、新たな知識、技術が産まれていても社内で誰も知らないでは、遅れをとってしまう。

自社の特異を知らない管理職がいたとしたら、重大問題である。
自社のミッションを知らない社員がいるのも問題である。
だが、ミッションが分からない、考えたことかない社長が多いのも事実であるから
社員が知らないのも当然かもしれない。
仕事をしていて、仕事を知っているが、
している仕事がミッションであると思っていたら、成果は上がらないだろう。
仕事をミッションとして考えねばならいないが、手元の仕事ではない。

財務、総務、人事部が自社ミッションを知らないはずはないが、
知らないとすれば、または正鵠を得ていないとすれば、ミスマッチが多くなるだろう。

競合他社は知っていても、市場を知らない場合がある。
自社のミッションが分からねば、市場は分からない。

自社の使命は、社会の状態を知っていて、社会の課題、問題が分かっていて使命が見いだせる。
使命は、社会の根源的な機能になっている。

自社の商品群を列記する。
列記して、そのまとまりを一つのカテゴリーとして、カテゴリーを含む全体を捉えてみる。
もし、全体が分からねば、未来への戦略は立てられず、基礎研究も出来ない。
新知識や技術を探せない。

ビールを生産しておれば、ビール市場を考える。
車市場、製薬市場、精密機器市場、金融市場等々、諸々の市場があるが、
それぞれの全体は何になるのだろうか。

社会を見ていなければ分からない。
見る所が分からねば、見られない。
自市場に囚われては、全体は見えない。

市場の歴史を振り返って、いつに市場として認識されたか、知らなければ成熟期は分からない。

組織内の知識流、組織外との情報流、時系列として変化認識、他市場との関連性、等々。
これらを把握して、活動が的を得る。

組織の内外、時系列の情報が各人材に伝わって、確かな仕事ができるはずである。
組織内の情報流が円滑でなければ、成果が上がり難くなる。
情報流が乏しく、組織内障壁があるとすれば、指示系統が必然になり、仕事の自由度は小さくなる。
トップダウンが多くなって、視野が狭くなり、活動は先細りするしかない。

昔(20年前)のように、経営者層に情報が集まって、
一般社員が情報をつかみにくい時であれば致し方がない。
今や、誰もが経営者層と同じように情報を収集できる。
最も収集しようとしなければ得られないが。

情報が増えれば、情報を活用すれば、多角化していく。
自社の特異を活用できる場面が浮かび上がってくるからだ。
むやみに多角化すれば、資源が分散される。
特異に従って、多角化した市場が出来上がる。

隣の部署の仕事、顧客、市場を知らなくては、統一かつ資源を集約した多角化は不可能である。

産業として挙げられている数は40近くある。
一社を取り上げて、如何なる産業に属しているかを見極めるのは難しくなっている。
産業区分はすでにあてにならない。

組織の特異に起点があるようだ。
その特異が、社会の現在と変化に如何に関わっているかを、収集し続けなければならない。

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