◆≪最大成果を宣言≫ ちょっと頑張ろう 2371号   2016/1/18 月曜日

≪変革人材――まず、自分が変わる≫

━ 組織人にとって変革は難しい。
古くから存在し、組織が大きければ、なおさらに難しい。
長年、続けてきて、大きな問題は起こっていないのだから、今が正しいと信じている。
今で良いと思っている。
変革など、必要がないと思っている。
このまま、社会の動きに合わせていけば良いはずである。
科学技術の進歩があれば、進歩を取り入れていけば良いとする。

ある部分では、進歩を取り入れば良い。
だが、変革とは、根底から変わってしまうのだと忘れている。
スタート地点が違っているのだ。 ━


今のままがいい、と思っていたら、変わりようがない。
自らが変わろうとしなければ、変われない。
如何に変わるかは、分からなくても、今以上になろうとする。
だから、学ぶ。
学んで、知識を増やしても、変われるとは限らない。

知識が増えれば、見えて気付くところは増えてくる。
知識が知識を増やす。
知識が増えて一つの弊害が起こる。
自らの考えや行動が正しいとしてしまい、今までにしてきた事柄に間違いがないとしてまう。

自らの習慣から出てこなければならないのだ。
如何なる場合の判断も、選択も、無意識にしている場合が多い。
経験に培われてきた選択、判断も、意識しているように見えても無意識になっている。

仲間たちも同じ判断、同じ意見だからと安心してはならない。
周りのみんなが同じ意見であるから、習慣になっている。
危険が増しているのだ。
どんな場合も、仕方がないが、自分が中心になる。
してきた事柄を否定しにくい。

昔も今も、これからも、社会や市場が変わらないのなら、
習慣の中で、自分を軸にして判断していても良いだろう。

「人類が初めて経験している事柄が多くなった」と言われている。
人口減少もそうであるし、移動が楽になり、インターネットができて、情報流通が速くなった。
大企業だと言われている組織が突然、不幸に見舞われる。

すべて、予期していないことが起こったのだ。
常に、自分の眼で外を視て、視ている事柄が、
他業界からも同じように視ているのかを確認しなければならない。

一つの業界は、およそ同じ見解をもっている。
精密機器業界、製薬業界は、それぞれが、ほぼ同じ考え方をしていて、
新たな突破口を見いだせないでいる。
2業界だけでなく、他の業界も似た様なものだ。

技術が優秀であるのかもしれないが、規定された範囲に対しての技術でしかない。
対象が変われば、技術は通用しないかもしれない。

一つの企業が複数の業界に関わっていて、成功している場合も多い。
これは、何を意味しているのだろうか。

自らの専門性が他業界との関連を見いだした結果なのだ。
一歩進めて、業界の互いの境界線が不鮮明になっている。

不鮮明になっているいくつかの理由が考えられる。
細かく専門分野が分かれてきた。
一つの専門分野を一企業で突き詰めるのが困難になってきた。
社外からの知識・技術を取り入れなければ追いついていかなくなった。
他の科学との融合、混合が至る所で起こり、新規性のある変化が起こっている。

ここに、自らの習慣が是であるとは言い難くなってしまった。

改善と変革は、スタートが違う。
改善は、すでにあるモノに対して始まる。
変革は、新たな創造が起点になり、今を否定する。

自身を否定し続けられない。
外部とのギャップを見いださねばならない。
外部への最適化する視点と、外部に影響を与えようとする視点が必要なのだ。

変革は、外に向けた視点から始まる。
決して、自身の習慣からは始まらないのだ。

copyriht© SeedWin all rights reserved.